2016年4月17日日曜日

6人の映画作家


映画というものが、2時間程度の時間の中で、芸術としての意味を成すには、ただストーリーだけをわからせるだけではだめ。

たった一つのシーンにも、観たものがその意味を考えてイマジネーションを膨らませるだけの何かを詰め込むことで、何倍もの効果を産み出すことができるものが「良い映画」と評価する基準になるんだろうと思います。

観終わった後にも、この映画は何を言いたかったのか考えさせられる、あるいは何かを誰かと話してみたくなるような・・・作品の見えていないところを味わうことができる、それが映画の余韻なんだろうと思います。

そういうものを作れる人が映像作家であり、真に巨匠と呼ぶことができる人たちで、彼らの作品はすべて網羅するだけの価値があるというものです。

自分の価値観では、チャーリー・チャップリン、アルフレッド・ヒッチコック、ルキノ・ヴィスコンティ、黒澤明、そしてスタンリー・キューブリックという5人の監督は、まさに巨匠と呼ぶに相応しい映画作家です。

演じる側から転じて、後に監督として独自の映像世界を構築したクリント・イーストウッドを加えて、6人についてはすべての作品を鑑賞すべきものと思っています。

もちろん、他にも名高い映像作家として認められている方々は大勢いるのですが、あまり真剣に見る機会が今までに多くなかったので、これ以上に手を広げることは今からではなかなか難しい。そもそも、この手の話は好き嫌いだけのことですしね。

このブログでは、以前にチャップリン、黒澤についてはまとめた記憶があります。チャップリンは何しろ古いですから、どうやっても画質は期待できません。それでも、角川がまとめたDVD-BOXが丁寧な仕事で安心。中古でも、あまり値が下がっていませんでした。

黒澤は作品が多いので、これを東宝中心にDVDまたはBrurayで揃えると、かなり高額で大変なことになります。幸いアメリカの廉価版メーカーがたくさん出しているので、こちらを中心に選択すると有名どころはおさえることができます。

ヒッチコックも作品が多いのですが、ろユニバーサルの映像ソフトとしては定番の売れ筋で、何度も何度もBOXが登場しています。戦前のものは、実はアメリカのもので格安のセットがあるんです。しかも、よーく見ないとわからないのですが、何と日本語字幕が選択できる。

キューブリックとイーストウッドは、ワーナーのドル箱。セットもいろいろあって、選びやすい。キューブリックは全13作品、すべてDVDはありますので、中古でよければすべて揃えても1万円かからないでいけます。

キューブリックの幻のデヴュー作は、本人が封印してしまったため、観ることは不可能といわれていましたが、実はこれも数年前にソフト化されています。また、習作ていどの最初期の3本の短編が知られていますが、これもYouTubeで観ることができる。いゃ~、いい時代になったものです。

ヴィスコンティは基本イタリア語で、少なくとも日本語字幕は必須。そうなると、全14作品のうち大部分は紀伊国屋書店が発売していて、中古でもあまり価格は下がっていません。中には、高額なプレミアがついているものもあります。

ヴィスコンティの短編映画は3本あるんでが、いずれも複数の監督とのオムニバス形式で、作品としてはけっこう評価されていたりするのではずせません。一頃までは、まったく観る手段がありませんでしたが、これらも今ではDVDになっている。

音楽と違って、映画はBGMのように何かをしながら見るというわけにはいきません。一から再スタートして、これらのすべて見直すとなると、おそらく数年以上はかかりそうな感じです。

とりあえず、キューブリックとヴィスコンティをこの1年でもう一度観ようかと思っていますが、その都度ブログで取り上げたいですね。