2015年5月31日日曜日

自動車運転免許証

最近は若者の自動車離れと、よく言われます。運転免許などなくても、交通機関が整備され、飲酒のむことなども考えると自家用車などなくても困らないようです。地球環境を考えると、車を使わないならその方がよさそうですが、それだけで改善されているものでもないようです。

自分が運転免許をとったのは、けっこう遅い。実は学生の時は、さんざん友人にお世話になっていました。学生で自分の車を自由に乗り回しているってのもすごいことですが、おかげでずいぶんと助かっていました。

当時の医学部は、2月にある医師国家試験が最終目標で、それが終わると2か月くらいの閑がありました。そこで、通いで集中的に教習所に通ったわけです。都内の目白のあたりだったと思いますが、うまく予約がどんどん取れて、ほぼ1か月で免許証を取得できました。

その頃、実家にあったのはトヨタのカリーナという車。箱型の4ドアセダンで、当然シフトはマニュアル。まだオートマチック車はありません。免許証とっても、さすがに都内を自由に走るというのは、最初は怖いものでした。

一番緊張したのは、やっばり右折でしょうか。タイミングを見て、いっきに発進しようとして、クラッチを早く話しすぎてエンストするというのは、初心者がよくすることです。後続車のクラクションが、さらに気持ちをあせらせます。

それでも、数か月するとだいぶ慣れて、「けっこう運転うまいじゃん」なんていう勘違いをして鼻を伸ばすわけで、後輩の夏休みの合宿に山中湖なんかにでかれていったりしました。

山中湖へは、御殿場から国道138号で山道を登っていきます。峠を越えると、下りになっていきなり広々とした湖畔に出るのですが、その日は前に大きなトラックがいて、これが遅いのなんのって、もう蟻が這っているかのようです。

せっかくのいい天気でドライブ日和なのに、気分はイライラして最悪でした。湖畔に出たところで、トラックは左へ曲がり、自分は右。やったぁ~、やっと邪魔者がいなくなったと、アクセルに乗せた足にも力が入る・・・という、絶妙なタイミングを見計らったところに、ちゃんといるもんなんです、警察が。

人生初ネズミ捕りです。免許停止60日。二俣川の教習所で講義を受けて、免停は30日になりましたが、おかけで高くなっていた鼻をうまいことへし折ってもらえたのは、きっとよかったのだと思っています。

それにしても、思い出されるのは免停の講習。とにかく、扱われ方がすごかった。いかにも暴走族、土建屋のおっさん風のがらの悪そうな方々に混ざって、「お前ら運転する価値もない」みたいな、けっこうな罵詈雑言に近い言葉を一日中浴びせかけられました。

けっこう屈辱的な扱いをすることで、もう二度とこんな嫌な講習は受けるなよということなんでしょうけど、確かにその点については成功していると思います。今は、人権にうるさい時代になりましたから、そんなことはないのかもしれませんね。

2015年5月30日土曜日

手打ちそば おおつか @ センター南

今週は暑いやら、蒸し蒸しするわで、急に夏っぽい天候が続いて、まだ体が順応しないせいか、けっこうこたえます。こういう天候も、地球温暖化のせい・・・と、何でも変わった天候は、地球温暖化を悪者にしておけばすむみたいなところがありますが・・・

さてさて、暑い時ほど、さっぱりと食べたいのが蕎麦。蕎麦は大好き。評判のお店を探して、立ち寄ったりすることもしばしば。

自分のテリトリーにも、何軒か蕎麦屋はありますが、港北ニュータウンで「おいしい」と評判の店があるという話は、けっこう前から聞いていました。

場所は、大塚の交差点あたりらしいと。しかも、お店の名前も大塚だと。大塚の交差点というのは、市営地下鉄のセンター南駅とセンター北駅の中間、ミナモという商業施設のビルがあるところ。

いつも、仕事の行き帰りにどこだろうと眺めて探してはみたものの、わからない。この辺のはずだと思って見ていても、普通の家が並んでいるだけで、それらしい店がありません。

そしたら、たまたま常連だという患者さんから情報が入ってきました。「その店は、昼の時間だけしかやってないよ」ということで、早朝と夜しか通らない自分が見つけられないのも当たり前。

そんなわけで、昼の時間に行って見たらありました。店の入り口も、比較的簡素で、さりげない感じ。月・火は休み。営業時間は、11時半から、その日にうったそばがなくなるまで。

入ってみると、20席ちょっとくらいの比較的ちいさいお店。一角にガラスで区切った、いかにもそば粉を打つスペースがありました。飾り気の少ない店内が、かえって主のこだわりを感じます。

メニューは多くは無いのですが、常連の患者さんおすすめの鴨せいろをいただきました。鴨は厚切りで美味しい!! 厚いわりには肉はやわらかく、なかなかのものです。

とはいっても、問題はそば。細めなんですが、多少太さのばらつきはあるのが、いかにも手打ちという雰囲気をだしています。ほんのりと口の中でそばの香りがひろがる感じがして、食感もちょうどよい。汁は多少濃い目で、たっぷりつけずに、少しだけにするのがよさそうです。

とにかく、大満足の美味しさでした。こういう、そばをいつでも食べられたら幸せなんですが、時間帯的にはなかなか簡単に食べられないのが残念。次にチャンスがあったら、是非また行きたいと思いました。

2015年5月29日金曜日

混迷するベルリンフィル

ベルリンフィルが揺れています。

クラシック音楽を愛好する者だけでなく、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団というオーケストラの名前を聞いた事が無いという方は、世界中に数少ないと思います。

1882年創設で、創生期にはブラームスやドヴォルザークも指揮棒を振ったという、歴史ある名門オーケストラで、主として戦前のフルトヴェングラー、戦後のカラヤンによって、超重量級の楽団として、世界の音楽の「スタンダード」のような地位を築きました。

特にカラヤンは"皇帝"と呼ばれ、クラシック音楽の本質を変えてしまったという意見も多く、その功罪はいろいろと議論されるところです。

30年間のカラヤンの支配ののち、楽団の常任指揮者は楽団員が自ら選出するという方法をとることになりました。非公開で、絶対的な守秘義務を課せられた団員が集まって選出する方法は「音楽界のコンクラーヴェ」と呼ばれるほどでした。

カラヤン後、1990年に就任したクラウディオ・アバドは、健康上の理由で残念ながら2002年に辞任。そして、その後を次いだのが、現常任指揮者、サー・サイモン・ラトルです。

ラトルは、カラヤン後、時代遅れで低迷したベルリンフィルを立て直すために、デジタル・コンテンツ配信の導入などの革新を行い、一定の評価を得ることに成功しました。ただし、2018年に契約が終了し、すでにその後は自国のロンドン交響楽団を振ることに決まっています。

今年になって、ラトルの次は誰かという話題が、俄然盛り上がってきました。次期常任指揮者として、巷で噂になっている候補者は、ベルリン出身、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の首席指揮者クリスティアン・ティーレマンと、ラトビア出身、ボストン交響楽団を率いるアンドリス・ネルソンスの二人。

次期次期首席指揮者兼芸術監督を決めるために、5月11日に123名の団員が集まり、まさに「音楽界のコンクラーヴェ」が 行われました。

その結果、楽団幹部が記者会見を行い、「将来の方向性を巡って根本的な意見の隔たりがあった」ため、半日にわたる議論と複数回の投票を行ったが、最終的に選出に失敗したことを明かしました。

ベルリンフィルが「世界一」という自負はある意味カラヤン効果であり、そのカラヤンを切り捨てたのが楽団自ら。そのカラヤンとともに消えるべきだった自負が生き続けていることが、今回の問題にも関係しているのかもしれません。

まだ、時間があるとはいえ、決定は長期化することは必至で、楽団内にも消す事のできない亀裂を残す可能性も取り沙汰されています。

もともと、オーケストラが苦手、しかもベルリンフィルのような超重量級戦車のような分厚い音は好きでない自分としては、どっちでもいいところがあるのですが、クラシック音楽全体の隆盛に影響する問題ですから、無関心ではいられません。

2015年5月28日木曜日

ディスク付きマガジン

CDやDVDがおまけについている書籍というのは、たくさんいろいろなものが出ています。もちろん、こういうメディア物だけでなく、いろいろな模型などを少しずつ作っていくようなものもありますが、途中のものだけ持っていてもしょぅがない。

買うなら、最初から1年間とかの長期にわたって忘れずに買う必要があったりするので、だいたいどっこかで忘れて挫折してしまいそうな気がするものです。

少し違うかもしれませが、もともと漫画雑誌も毎週見るのは面倒なので、定期的に買うということはしたことがない。遅くなってもいいので、単行本になってから、まとめて読むのが好きでした。

ただ、今回、・・・・う~ん、どうしよう、挑戦すべきか・・・悩んでいるものがある。

松田優作DVDマガジン。いゃ~、出版社は、なかなかいいところをついてくるものです。この手のマガジンを専門でだしているところがありますが、内容的面白いと思ったこともありますが、本屋で手にとって見て、マガジンの貧弱さで購買意欲がそがれることが多い。

その点、今回は天下の講談社です。安心印の保証付きみたいなもの。テレビのCMでも名作「探偵物語」と全映画収録といっていますので、すでにたくさんDVDやBlurayで持っているものの、比較的安価で揃うのは魅力的。

松田優作のBOXセットはいろいろ出ていて、何度か買いそうになったのですが、なかなかうまく揃い切らないし、価格もけっこうするので躊躇していたので、この際ですから・・・

でも、来年の12月まで、全41巻、必ず買い続けることができるのか・・・悩むなぁ。

2015年5月27日水曜日

最後のおじぽっくる

昨日は暑かったです。横浜では28度、夕方になってやっと25度。それでも、朝になると空気がヒヤっとしているところが、真夏とはちょっと違うところでしょうか。

それにしても、この時期にこの暑さは、けっこう堪えます。ちよっと前のインドのニュースでは、熱波により数百人が死亡しているとか。しだいに暑さになれるのは、大事なことですね。

これもまたどうでもいい話なんですが・・・しかも、ネタばれ的で申し訳ない。

ちょっとした閑な時に、スマホでゲームをするんですけど、最近はまっていたのが「みつけて! おじぽっくる」というものだと、2ヶ月前に紹介しました。

最近のゲームは、本体無料で、ゲームを円滑に進めるのにアイテムを追加で購入というパターンが多い。プリンターのインクや、本体0円の携帯みたいなもの。

このゲームもそういうシステムなんですが、一度に楽しむ時間は5分程度だと、特にアイテムを買わなくても、こつこつとひたすらがんばるだけで、十分に楽しめちゃいます。

そんなわけで、一応らくちんでエンディング。レベルが上がると、新しいおじさんが登場してくるわけですが、普通のおじさんから始まって、かぶりものおじさん、女装家のおじさん、レンジャーのおじさんなどなど。

そして、殿様のおじさん、王様のおじさんときて、レベル36でついに神ぼっくるを捕まえて終了・・・なんですが、そのあとにさらに追加がありました。ここからは、レベルを上げるためのポイントもかなり高くなりますが、それでもこつこつやって、ついに正真正銘、最後の最後が・・・



まぁ、それだけのことなんですけどね。

2015年5月26日火曜日

ドローン

歴史的には・・・って、そんな大げさな話ではありませんが、一般向けに持ち運びができる録音・再生機器で、最初に登場したのがSONYの「でんすけ」というもの。

自分が高校生のときでしたから、今から40年くらい前の話。新しいモノは何でも持っていた、豪勢な友人の家にありました。カセットテープを入れて使うのですが、今時のA4サイズのビジネスPCバッグくらいの大きさで、重さは5キロ程度はあったんじゃないでしょうか。

そういえば、しばらくシリーズ化されたLive Under The Skyと呼ばれる、ジャズ・コンサートの第1回、真夏の田園コロシアムでのV.S.O.P.クインテットのライブに行った時に、友人が持って来ました。今から考えると、あんな大きなものを持ち運べるなんて、ずいぶんとゆるかったものだと思います。

続いて、再生専用のウォークマンの登場が、音楽を気楽に持ち出す画期的な商品としてヒットしたわけですが、少し遅れて録音可能なタイプも登場しました。これは、上着の大き目のポケットなら、何とか入るくらいの大きさ。

結局、この手のものの使い道は、たいていライブとかしかないわけで、当時はこういう機器の登場により、オーディエンス録音という海賊盤がたくさんありました。海賊盤は、その後サウンドボード録音の高音質のものが当たり前みたいになって、素人の会場収録はあまり意味がなくなったかもとれません。

そうここうするうちに、パソコンの発達により、音だけでなく動画を一般人が簡単に扱えるようになった。最初にMP3プレイヤーに動画再生機能がついてきて、びっくりしたのは10年くらいまえでしょうか。

しかし、今や素人が動画を収録するのが花盛り。スマートホンの広がりにより、誰でも動画を収録できる道具を持ち歩いているという状況です。

それが、さらに進んだら、たまたま撮影するだけでなく、積極的に映像を作っていくということで注目されているのがドローンと呼ばれるラジコン操作による小型ヘリコプター。安いものは1万円程度で手に入ります。

ここにカメラを搭載することで、普通では見られない空撮が簡単にできるというのは、その手の趣味がある人には魅力的。どんどんプライバシーにも入り込んでいけるわけですから、いろいろな問題を起こすのは当たり前。

使い方を規制する話が出てくるのは当たり前ですが、使い方よりも使う人に対しての規制、モラルの徹底が税所に必要なのかもしれません。

2015年5月25日月曜日

自動車税納税証明書

自動車税は、毎年4月に納付書が送られてきます。5月末までに納付しないいけません。

納付しないと、車検が受けられない。納付後の証明書を、大切に保管しておかないといけない。

ところが、払ってからすぐに車の車検証入れなどにいれておけばいいのですが、さっさとやらないと、どこにいったか必死で探すはめになることも少なくありません。

数年前に、クレジットなどで払えることに気がつきました。おっと、これは便利だ。なかなか銀行まで行く足が重たいので、いつもぎりぎりになりがち。クレジットで、ネットから払えば簡単です。

ただしその場合は、あとから納税証明書が送られてくるので、しっかり保管するのは同じ。

さて、今年は、なんか説明書きが一緒に入っていて、呼んでみると「領収書および納税証明書は発行しません」となっていて、ありゃりゃこれからどうすんだいと・・・


でも、心配ありません。その下に「平成27年度から車検時における納税証明書の提示が省略できる」と書いてあります。

これは助かる。ちゃんと払えば、いちいち証明書を保管する手間が省けるというものです。

これだけパソコンが生活の中に入り込んで、いろいろなデータベースが構築されている中で、こういう情報の共有はなかなか進んでいないというのが原状です。

パソコンの広がりによって、逆に個人情報にうるさくなり、データの管理が難しくなったことが大きな理由としてあると思います。

あとは、車検のときにデータ漏れとかになっていないことだけを祈るしかありません。心配な方は、これまで通り、銀行などで払い込みましょう。

2015年5月24日日曜日

新興感染症の呼び方

WHO(世界保健機関)は5月8日に、新たなヒトにおける感染症の呼称として、疾患名によって特定の国や民族などの印象が損なわれたり,経済活動に悪影響が及んだりしないように配慮するようにという指針を発表しました。

まぁ、確かに固有名詞を冠する病名と言うのは、特定の地域や人種に対して、ネガティブな印象を持たせる可能性があるわけで、少なくとも良い方向性にはいかないことは間違いない。

例えば、横浜市都筑区にだけ集中して、原因不明の症状が多発したとします。元から住んでいる人だけでなく、たまたま買い物で来ただけの人も発症し、原因がまったく不明。

当然、いつしかニュースになるわけですが、その時この状態を何と呼ぶかというと、一番簡単なのは「都筑区病」となる。一度報道されると、都筑区に入ってくる人はいなくなり、都筑区に住んでいるというだけで避けられてしまうかもしれません。

研究が進んで、原因が特定され排除でき、発症者は急速に減少。もう何年も都筑区では新たな発症は認められないとしても、世界中のどこかで同じ病気が見つかると、それは「都筑区病」と呼ばれる事が慣例化していまうわけです。

例えば「スペイン風邪」は、インフルエンザの一種で、1918~19年に世界中に大流行し死亡者が多発しました。これは、もとはいえばアメリカから始まったもの。たまたまスペインが、最初にニュースとして発信しただけという、もうスペインの方々にとっては言いがかりみたいな呼称です。

レジオネラ肺炎は、1976年にアメリカの在郷軍人会の会合の際に、原因不明の肺炎が参加者や会場周辺住民に多発したために、在郷軍人(legionnaire)に因んで付けられた名前。当然、在郷軍人の方々だからかかるわけじゃありません。

日本脳炎や日本住血吸虫といった、日本に関係した名前もあります。これらの、特定の地域に多発するものは、通常「風土病」という呼ばれ方をします。


最近、やっと収束宣言が出始めている「エボラ出血熱」も、コンゴのエボラ川周囲に発症者が多い事で付けられたネーミング。

いずれにしても、その名前に関係した人々は嬉しいことは何もありません。使わないにこしたことはないのですが、最初に名前をつける「誰か」にとっては、何と呼ぶか頭を悩ませることになりそうです。

2015年5月23日土曜日

死後の世界

ヒトは、死んだらどうなるの?

って、オカルトみたいな話題ですけど、結論ははっきりしていて、基本的に「わからない」が正解だと思います。

肉体は、心臓の停止により血流が止まり、体へのあらたな酸素の供給が無くなりますので、細胞の壊死が始まります。

手足の手術では、出血をおさえるために付け根を縛って血流を止めるのが普通ですが、1時間はまったく問題ありません。2時間を過ぎるのはマズイ。

血流が遮断されて数時間を越えると、細胞の変性が始まります。その時点では可逆性で、血流の回復とともに組織の状態も下に戻ります。

脳組織については、もっとシビアで、心肺停止から蘇生できる確立はどんどん低下。特に重大な障害を残さないで回復できるのは数分間と言われています。

ヒトの死は、心臓停止ではなく脳機能の停止であると言われるようになって、ずいぶんと経ちました。少なくとも、他人から見て「死んだ」と言える状態になっても、数分間は本人にも意識はまた存在しているのかもしれません。

また、数時間以内に適切な処理をすれば、肉体を保存しDNAを残す事が可能なのかもしれません。未来のクローン技術が、ヒトを再生させることができるなら・・・でも、おそらく記憶まで再現することはないでしょうから、見た目だけ同じというだけで、同じ人とは言えないだろうと思います。

アメリカのThe Journal Resuscitation (蘇生学会誌?)に、臨死体験者に対するアンケート結果が発表されているそうです。対照は300人くらいで、蘇生されるまでの時間などの詳細はよくわからないのですが、その結果は・・・

46%「何らかの映像が頭に浮かんだ」
39%「覚えていない」
13%「自分の肉体を俯瞰して眺めていた」(つまり幽体離脱をしたという人たち)
2% 周囲の風景を見て、話を聞いていた

と、いうことらしい。

もともと、持っていた死に対するイメージとかが反映されるような部分もあるのでしょうから、医学的にどうのこうの言ってもしょうがないとは思います。

2%の人は、死んだとされた後も、そのまま回りからの「刺激」を感じていたらしい。死んでも意識は残るということなのかもしれませんが、パーセンテージはわずかですし、実際蘇生されて人とそのまま死亡した人では、根本的に違います。

この手の話は、医学的に理系の解釈をするのは困難ですから、結局、精神論、宗教論などの方向に行ってしまうので、このくらいにしておきましょう。

2015年5月22日金曜日

梅雨入りはいつ?

今週、沖縄・奄美で梅雨入りしました。昨年よりは2週間、平年に比べると10日程度遅いそうです。

農業をしている方には、それまでにやっておくことがたくさんあるわけで、いつ梅雨入りするのかは大事。

とは言っても、自然現象ですから、いつからですとはっきり予想できるものでもありません。農家の方は、長年の経験と知識で判断されているのでしょう。

自分たちは・・・と言うと、雨が続くのは愉快ではないということで、死活問題にまではいきません。入ったら入ったで、あー入梅かと残念なところはあるものの、基本的には受身。

去年は関東地方は、6月8日ごろだったようです。だいたい沖縄からはじまった入梅は、1ヶ月遅れで関東に到達するので、今年は6月15日~20日くらいになる・・・のかもしれません。

遅く始まって長く続くのか、それとも空梅雨ですむのか。どっちにしても、良い事・悪い事いろいろですから、自然の営みを素直に受け入れるしかありません。

いずれにしても、梅雨になったら、明けた後の夏の陽射しを楽しみに待ちましょう。

2015年5月21日木曜日

BCJで聴くカンタータの森 (5)

教会暦に沿ってバッハのカンタータを聴き続けたのは、昨年春からです。今年の受難週~復活祭で一段落して、そこからはバッハの作曲した順番で収録された鈴木雅明/BCJの全集を、聴きたい時に聴きたいだけ聴くことにしました。

教会暦では、復活祭のあとちよっと一休みしますが、先週が昇天祭、そして来週が聖霊降臨祭にあたり、バッハにとっても再び忙しい時期にあたります。何しろ毎週日曜日のカンタータだけでも、作曲・譜面作成・練習で一杯のところに、特別な日のための曲まで用意しないといけないわけです。

もちろん、そんなことは頭では理解した上で、バッハはライブツィヒのトーマス・カントルに応募したのでしょうから、簡単には泣き言は言えません。しかし、家では、きっと好きなコーヒーをすすりながら、奥さんのアンナ・マクダレーナには愚痴を言っていたのかもしれませんね。

1723年春、「まぁ、バッハ君でがまんしとくか」というところで、何とかライプツィヒに職を得たバッハでしたが、そういう多忙な生活が始まり、一般市民に最初のカンタータが披露されたのは、5月30日、三位一体節後第1主日でした。

ここから、カンタータ年巻と呼ばれるシリーズが始まります。基本的に毎週1曲、待降節や四旬節のように音楽は休みの期間を除いて、1年間に40曲程度を用意しないといけないわけです。

特にバッハは、ライブツィヒ就任後、2年目の1年間はまとまった形式を強く意識していたと考えられるために、そこを軸にしてバッハ独自の「年度」が形成されるわけです。

BCJ全集のVOL.8~9で、カントル試験課題曲、そしてカントルとしてのデヴュー作を聴いた後、VOL.10~13では、季節はほぼ夏、長い三位一体節後の期間の半分を聴いていくことになります。

この中では、バッハの全作曲中、最も有名なひとつであるBWV147「心と口と行いと生きざまもて」 が登場します。最も、誰もが一度は耳にしたことがある有名なメロディは、2部構成のされざれの最後に通常するコラール、その伴奏の旋律です。




ですから、初めて聴くと、ちょっと拍子抜け。あの有名なメロディはいつでてくるのかと思っていると、じらされ続けます。しかも、主役はコラールですから、あくまで脇役ということに気づいて、ちよっとがっかり。

しかし、伴奏にしてもあのメロディが出てくると、気持ちがなごみますし、ゆったりとしたコラールの旋律も、ほっとする。全体としては、多少ゆっくりした演奏のほうが、その効果は大きくなりそうです。

2015年5月20日水曜日

新規開業

・・・っと言っても、もちろん自分のことではありません。

開業後も何かと入院や手術でお手間を取らせている横浜新緑総合病院に長らく勤めていた、大学の医局の後輩でもある矢嶋先生が長津田で開業したという話。

この先生は女性でして、なかなか細やかなところがある一方、けっこうサバサバした性格とお見受けします。そういう意味で、こちらもいろいろと話しやすく、けっこう頼れる先生なのです。

横浜新緑総合病院は、もともと開院時にパートの整形外科で始めたのですが、そこに入り込んだのが自分。もちろん、大学からの「人事」みたいなものですが、1年してから初代整形外科医長となって4年間奮闘しました。

当時、都筑区という新しい行政区割りが始まり、「都筑区ってどこ?」などと言っていたのに、去年で都筑区20周年ですから、もうずいぶんと昔の話になりました。

矢嶋先生の話に戻ると、自分より10年くらい若かったと思いますので、開業するにはちょうどいいお年かと・・・女性の年齢の話はいけませんね。長津田というのは、緑区の中では古い町でクリニック密集地ですが、整形外科はあまり無い。

駅前の再開発もだいたい終了して、開業するにはタイミング的にはよかったのかもしれません。それほど遠くはないので、これから勉強会などでもお会いする機会が増えるかもです。

新規に開業するとなると、あちこちからお花などのお祝いが届くのが常。自分も、10年前にいろいろといただきました。
あらためて見ても、大きな花は見栄えもいいし、存在感もあって新規開業を華やかに祝ってくれる感じでいいものです。ただ、実はあとの処分が大変。スタッフに持ち帰ってもらったりもしましたが、親類に送るにしても大きくて宅急便に運ぶのも一苦労。

そこで、これまで何軒かの開業にお祝いをおくっていますが、自分が定番にしているのはプリザーブド・フラワー。ちょっと見栄えは悪いかもしれませんが、あまり大きくなく机などに長く飾っておけるようなものを選んでいます。

自分も、開院時のそういう飾りだけは、今でも受付の大事な装飾として並べています。まぁ、好き好きですから、だめならしょうが有りませんが・・・




2015年5月19日火曜日

デジタル文具

Amazonランキングで見ると、デジタル文具の一番売れているものは、キングジムのラベルプリンター、TEPRAです。

いろいろなタイプが売られていますが、基本的な性能は大差ない。パソコンを使うと、いろいろと細かいことはできますが、パソコン無しでも単独で最低限必要なラベルを簡単に作成できることは重要です。

つまり、パソコン苦手なヒトにも使えて、こどもにも使わせられるので、好きなときに好きなだけラベルを作れるので、今や事務用品としては定番化しています。

自宅にも、だいぶ古くなりましたが一つありますし、クリニックでもちょこちょこと使う事がある。パソコンにつなぐ事もできるのですが、いちいちそんな面倒なことはしません。

TEPRA関連の次に売れているのが、電子辞書、シャープのBRAINのシリーズ。高校生用の基本辞書てんこ盛で、そりゃ便利でしょう。10年くらい前でも、うちのこどもが学校の試験に持ち込み可のことがあってびっくりしました。

紙の辞書をせっせと引くことばかりをしていた世代としては、楽でいいなと思う反面、電子辞書は「流し読み」になって記憶に残り にくいのではという心配もしてしまいます。

しかし、最近のデジタル世代にはあまり関係ないのかもしれません。紙のアナログに優位性を感じるのは、やはり自分が古いのかもしれません。

辞書、特に使うのは英和辞書ですが、今でも使う事はたまにあるので、電子辞書の一つも買いたいと思う事はあります。いろいろと比べてみると、辞書の中身はどのメーカーでも大差ない。定番の有名なコンテンツが、これでもかというくらい収録されています。

ただし、機器としての使い勝手は、SEIKO Inst.のものが、最も評判がいい。ただし、値段が・・・シャープやカシオのものだと、数万円以内ですが、SEIKOは5万前後、物によっては10万円近くなる。どうせ買うなら、医学系のコンテンツも入っているものと考えてしまうからでしょうか。

冷静に考えると、いつも持ち歩くことはありませんし、たまに使う程度しか想像できませんので、使ってみたいけどそこまで投資する理由も見つけられません。そんなわけで、欲しいけど自分用には結局買ったことがないモノの代表みたいなものになっています。

2015年5月18日月曜日

水泡に帰した大阪都

住民投票に対する、大阪府民の関心度は高かったと思います。国政選挙よりも高い投票率で、大筋では賛成・反対が半々でしたが、反対票が上回り、橋下氏が提唱した「大阪都考想」否決されました。

大阪府と大阪市の二重行政による、多くの無駄があることは様々な報道でも明らかであり、大阪府民の方々も理解していることだと思います。しかし、多くの人々は、大きく生活の枠組みが変化することに対する不安感をぬぐえなかったという結果なのでしょうか。

厳しい言い方をするなら、大阪府民は5年後、10年後の生活よりも、今の安定を選び、いろいろ混乱が生じるであろうリスクを回避する選択をしたということ。しかし、ある意味当然で、見えない未来を選択するというのは、なかな簡単にはできないもので、橋下氏も大阪の保守性を甘く見ていたかもしれません。

また、都がつくのは東京で、府がつくのは京都・大阪であるという、関東と関西の差別化は、関西の方々にはある種の誇りを持たせている部分だと思います。都(みやこ)として賑わうのは東の方かもしれないけど、もともと日本の中心は府にあるという気持ち・・・橋本氏の敗北の根底にあるところでしょう。

橋下氏の「劇場型」政治の中では、大阪都というキャッチフレーズはわかりやすく、インパクト大だったのでしょう。しかし名称を変えず、府か市の行政配分を変えることができれば、実質的には同じ効果が出せるわけで、そうなら受け入れやすい部分もかなりあったのだと思います。

実際、東京都に限らず、神奈川県でも県と横浜市の関係は、かなり独立性が高い。横浜市民でいると神奈川県民としての意識は希薄です。つまり住民サービスなどで県に頼る部分はほぼ皆無と言ってもいい。つまり、県知事は誰がなっても構わないが、市長はちゃんとできる人でないと困ります。

やり方や、その言動にはいろいろ問題はありますが、建前論だけの政治家が大多数で信用できない中で、橋下氏のような本音が見えるような政治家は貴重なのかもしれませんが、それもまた好き嫌いがはっきりしやすい。

会見で橋下氏が述べたように、「政治家は嫌われたらおしまい」というのはその通りですが、嫌われない人が残って政治をしてもらいたいもので、嫌われないようにする人ばかりでは何も良くならないのだろうと思います。

2015年5月17日日曜日

リウマチと15年

そういえば、関節リウマチという病気を中心に診療を行うようになって、ちょうど15年間。自分が医者になってから、半分の時間を費やしてきたことになります。その前にも、一般整形外科医としてリウマチに関わることはことはありましたが、それが専門とはいえませんでした。 外傷中心、つまり救急車と格闘する毎日は、かなり精神的にもへこたれます。ただし、骨折を治すのは「自分の腕」ですから、ケガが治って患者さんが喜ぶというのは、やりがいにもつながるというものです。 一方、リウマチという病気は、治療方法が格段に進歩しましたが、基本的には治せません。現状でも、治ったみたいな状態まではいっても、再発の危険は排除できません。ましてや、以前は少しずつ患者さんの手足の変形が進むのが普通でしたから、その中から結果を出していくのはけっこう大変なことでした。 薬の治療は、治しているのは薬であって、医者は言ってみれは監督みたいなもの。一番力が出せそうな選手を送り出し、適切な采配をふるうのです。ますます薬物療法が中心になってきましたので、一選手として結果を出す手術の機会は減りました。 そういう意味では、一般整形外科として15年、リウマチ専門施設で5年までの選手として蓄積できたノウハウをいかして、今は開業医として監督業にいそしんでいるというところなんでしょうか。 東京女子医科大学の膠原病リウマチ痛風センターに引っ張ってくれた先生には、本当に感謝しています。リウマチセンターの5年間が無かったら、今の自分は無いと思います。特に何が得意というわけでもない、普通の整形外科医としていまだに勤務医をしていたかもしれません。 それが悪いとは言えませんが、少なくとも毎日の業務をこなしていくモチベーションは、年齢とともにどんどん下がっていたのではないかと思います。ちょうどリウマチ診療が激変した時期に、専門として選んだことで、その進歩についていくというのは大変ですが、一方で自分を奮起させているところもあるわけです。 少なくとも、次の10年間にリウマチ診療がどうなるのかは、しっかりと見届けたいと思っています。そうすれば、リウマチに携わって四半世紀となって、大学の偉い先生と肩を並べるとは言いませんが、間違いなく専門家として胸を張れるのではないかという気がしています。

2015年5月16日土曜日

Rebirth MADE IN JAPAN

家電といえば日本製という、世界中から信頼を寄せられるイメージが確固たるものだったのは昭和の話。

最近ニュースで、家電メーカーの凋落ぶりが明らかになるにつれ、日本はどうなってしまったのだろうかと、本当に心配になってしまいます。

東芝は不正会計で平謝り。シャープは中小企業になろうとしたり、ソニーはあいかわらずのていたらくです。

自分は、もともと「ソニー信者」ですが、「ソニー信者」という言葉すら死語と言ってもいいかもしれません。

例えば、VAIOといえばソニーの個性的なパソコンのシリーズで、大人気だったもの。いつのまにか、ただ高いだけみたいなものになって、ソニーは経営改善のため切り離したのは記憶に新しい。

独立したバイオ株式会社から、最近SIMフリーのスマートホンが発売され、当初は大変期待されたものの、中身が目新しくなくまったく売れていない様子。

自分も長らく個人用パソコンはVAIOを使っていたのですが、ここ数年・数台はまったく別のメーカーのものに鞍替えしてしまいました。

マーケフィング用語に、ボリュームゾーンというのがあって、商品が一番よく売れる価格帯のこと。最近は、ヒット商品がなかなかでなくて、出ても定着しない、つまりすぐにあきられるという傾向があるそうです。

商品がボリュームゾーンに定着しないため、企業としては次から次へとスマッシュヒットを狙うものを開発しなくてはならず、ますますブームで終わる商品が増えるという悪循環が指摘されています。

会社の経営者ともなると、企業を成長させることが使命ですから、財務上の会社資産を増やすのにバブル期に投資のようなVR的な部分へ手を出しすぎたしっぺ返からいまだに真の回復はできていないということでしょうか。

トヨタの社長がしばしば口にする「モノつくり」の再生は、今後の日本にとって大変重要なのかもしれません。世界中から信頼される品質のものを、もう一度生み出していく力が必要です。

日本製という、安心ブランドをもう一度認めてもらうためには、やはり本質である商品の品質にこだわってもらいたいと重いわけです。

2015年5月15日金曜日

レーダー

車用品というのは、もちろんほとんど合法的なもの。その中で、ビミョーな立ち位置にあるのが、レーダーと呼ばれている製品。

道具としては合法ですけど、一般的には警察のいわゆる「ネズミ捕り」と呼ばれるスピード違反取締りを逃れるために設置するというもの。

つまり、法廷速度を越えてスピード超過で走行する時に役に立つ道具です。まぁ、正直に言うと、100%法廷速度遵守で走っているかというと、そうでもない。トラックなどで「法廷速度遵守車」というステッカーを貼っているのをよく見ますが、かなり??ということがあるものです。

昔は、レーダーを車に設置していると暴走族みたいに思われるし、実際そういう人たち中心にニーズがあったもの。

しかし、警察だって進化しています。そういう道具に対して、いろいろ速度測定の方法が変わってきて、今ではレーダーを設置していても感知してからブレーキを踏んでも手遅れということになっている。

そもそも、ネズミ捕りについては、いつどこでするか公開するようになりましたから、本当に気にする人はレーダーよりネットを一生懸命チェックしたほうがいい。

ですから、最近のレーダー機器は、警察の近辺の様々な取り締まり情報を中心として、道路そのものの情報を提供する機器という色合いが多くなりました。

そうなってくると、善良な一般市民にもいろいろと恩恵が出てくるというものです。特にハイブリッド車に乗っていると、詳しい情報が表示されるようなオプションをつけていないと、せっかくのエンジンとモーターとの動きなどのいろいろに情報がわかりません。

特にタコメーターなんてものもついていないし、エンジンをぎりぎりで動かそうと思うと、エンジンの回転数とかはけっこう知りたいものです。今はOBDという簡単なアウトプットが必ず用意されていて、見たければ本当に多くの情報が見れます。

レーダー機器は、OBD接続により、メーカーのオプションよりもかなり安くこれらの情報が見る事ができます。まぁ、無ければ無いで困らない機能と言ってしまえばそれまでですが、よりエコな運転をしたいとか、車の動きを多少なりとも自分で制御したい(錯覚レベルですけど)とかの場合にはけっこう役に立つものです。

そこで選んだのは、ルームミラー型のもの。なにしろ邪魔にならない。OBD接続で、コード一本を隙間に押し込むだけで、接続はバカチョン。慣れていない人でも、まぁ5分くらいあれば十分でしょう。

なにしろ、ハイブリド車の複雑なエネルギーの動きがいろいろ見えてなかなか楽しいですよ。


2015年5月14日木曜日

BCJで聴くカンタータの森 (4)

ワイマール時代は、毎月1曲ずつカンタータを作曲するようになり、時間もそれなりにあったのか、いろいろな試みをしていました。1717年末にケーテンの宮廷に移ると、ここではカンタータの仕事は無くなり、器楽曲中心の生活になります。

ケーテン時代には、妻マリア・バ ルバラの死、そしてアンナ・マグダレーナとの再婚という出来事があり、またケーテン公には熱い信頼を寄せるようになります。しかし、ワイマール時代に芽生えた「整った教会音楽」の構想は日増しに膨らみ、その実践のためにライブツィヒへの転職を考えるようになりました。

そこで1723年2月7日、バッハはトーマス。カントルの採用試験を受けることになり、その時の課題作曲として披露したといわれているのが、BWV22 「イエス十二弟子を召寄せて」とBWV23 「汝まことの神 にしてダビデの子よ」の2曲。

鈴木盤のVOL.8では、この2曲に加え、トーマス・カントルとしての初仕事となるBWV75 「乏しき者は食らいて(1723年5月30日)」をまとめて聴くことができます。

当然、いずれも力作揃い。 採用試験用の2曲は、さすがにキリストの教えを説くためのカンタータとしては、内容はかなり重量級なのですが、それをコンパクトにまとめあげて、聴き所もたくさん盛り込んだところはさすがです。

カントルに正式採用になって、最初の市民向けのカンタータ披露となるBWV75は、ライブツィヒの2大教会である聖ニコライ教会で、そして翌週の1723年6月6日には聖トーマス教会でBWV76「もろもろの天は神の栄光を語り」が演奏されました。

サッカーの代表監督の初試合みたいなもので、市民は多くの期待を抱いて教会に集った事でしょうから、バッハとしても相当入念に準備をしたことでしょう。いよいよライブツィヒにおれるカンタータ年巻の開始です。

いずれも採用試験の時とは違って、2部構成の大作です。冒頭合唱からはじまり、前半が終了すると説教がはいり、第2部はシンフォニアからスタート、前半も後半もコラールで締めくくります。つまり、通常のカンタータ2曲分を違ったパターンで聴かせてしまうというもの。歌手も楽器奏者もほぼフル・メンバーで抜いたところがありません。

BWV76の後に続く2曲は、ちよっと一休み。短めでサラっと情感豊なBWV24 「まじりけなき心」、BWV167 「もろびとよ、神の愛を讃えまつれ」が続くわけですが、これらをあわせてVOL.9で聴くことができます。

後年の熟成した曲の数々に比べると、多少力みすぎというところはないわけではありませんが、新しい仕事の中で、自分が理想とする教会音楽を作っていける環境を手に入れたバッハの快進撃の幕開けですから、いずれも名曲としておさえておきたいものだと思います。

2015年5月13日水曜日

クラウンに乗ってみた

先日、長野に法事で日帰りしたんですけど、今うちの車が無いので、ディーラーに無理を言って車を借りました。

じゃあ、ってんで出てきたのがクラウン。えっ、そんな高級車貸してくれるの? って、こっちがむしろ心配になる。他人の車ですから、なんかあったらねぇ。

まぁ、今までも大きな事故起こしたことないから大丈夫ですよという、なんか根拠の無い説明でしたが、出できたのがクラウン・アスリートのTOM'sバージョン

TOM'sは、トヨタ車専門に思い切りデコるメーカーで、前も後ろも相当変えてあり、一見すると「かっこいい」のですが・・・これ、どう見てもその筋の人とか、族と呼ばれるような方々が乗っていそうな感じ。マフラーなんて、4本出しですよ。

デモカーらしく、試乗などの用途でディーラーが持っている車だそうですが、価格がな、な、なんと600万円。基本的に車は走ればいいんじゃないかと思っている人間としては、こんな高い車は今まで購入する候補に入った事は一度もありません。

座席に座ると、包み込む本皮のスポーツシートはなかなか座り心地はいい。プリウスでお馴染みのスタート・スイッチをポチっとすると、エンジンがブルル~とかかり・・・って、えっ? これガソリン車?

そうなんです。ガソリン車です。でも、マルチ・インフォメーション・ディスプレイがあって、燃費が表示されたり、ECO評価が出てきたりで、まるで雰囲気だけはハイブリッド車。

室内はいわゆるサンルーフがついていて、これがけっこうな厚みがあって、天井が迫ってくる感じで窮屈感は否めない。後部座席は、思ったよりは狭いかも。
中央高速を走ってみると、とにかく重いたいというのが第一印象。アクセルをしっかり踏まないと走り出さない感じですが、加速はさすがにいい。

とは言っても、さすがに他人の車で爆走はできません。ときどき追い越し車線に入って、100km/hくらい出すと、いきなり前の車がどくんです。そりゃそうでしょう。自分も、この外観の車が後ろについたら怖いですもん。

どかれちゃうと、多少しっかり走らないといけない雰囲気になるのが困りもの。できるだけ無理せず走りましたが、燃費は400kmの走行に対して11.6km/Lとでました。このクラスのガソリン車としては、だいぶいい成績だと思いますが、日頃20km/Lを目指しているのでなんか寂しい。

着替えてから法事会場に向かうときは、この車に、みんな黒服ですから・・・どう見ても、怖い。。。

2015年5月12日火曜日

真・連休終了

大型連休って・・・最大長い人でも、さすがに終わりましたよね。

前にも何度が愚痴を書いていますが、やっぱり連休があると、仕事がたまるのが医療業界というもので、正直あまり嬉しくないのは、今でも同じ。

今年も、この2週間くらいで、本当にゆっくりボケっとできたのは5月6日の一日だけでしたし、とくに7~9日には、患者さんが途切れる事がなく、激疲れでした。

公的な用事は、5月3~5日。5日は半日で終わるはずだったレセプト作成でしたが、クリニックで水槽の掃除という突発的な肉体労働が発生してしまいました。

4月29日と5月10日は私的な用事。特に10日は、法事で長野に日帰り。50代後半に入ると、さすがに体力的にしんどい。

昨日の月曜日は、休み明けでまだ混雑が続くかと思ったら、意外に普通の感じだったので本当に助かりました。特に午前中は、テンションを上げたくても体がついていかない感じでしたので。

そんなことをぼやいていると、同じビルに入っている耳鼻科は、毎日夜10時くらいまで診療が終わらないのに、何を言っているんだと怒られそうです。耳鼻科の先生とたいして年齢は違わないでしょうし。

とにかく、2連休くらいの方が、本当に休めるし、仕事が入っても疲れがたまらないので嬉しいんです。そのかわり、遠くへは出かけたりできませんけどね。

そんなわけで、5月7日に「連休終了」と書きましたが、その影響は昨日まで、今日から真の意味で「日常」に戻ります・・・なのですが、えっ!? 台風接近!! まじですか!?

2015年5月11日月曜日

ヤエザクラ

昨日は出かけた先で、見事なヤエザクラが咲いているのを見つけました。

ヤエザクラは、一番よくあるソメイヨシノに比べて、数週間遅めに咲くそうですから、よほど北の方に行かない限りは、今年の桜の見納めかと。

風が強めでしたから、ホロホロと花びらが舞い、ちょっと風情がありました。場所は駐車場だったので、車の中にもピンク色の花びらが舞い込んできました。

沖縄では、そろそろ梅雨入りかという話もありますし、台風も接近中。今年の春らしい風景は、これが最後かもしれません。

2015年5月10日日曜日

母の日 ~ バードウォッチング

今日は母の日。一応、人並みに花を贈ったりしました。amazonからの直送ですが・・・
「変な色の花が届いた」という反応でした。まぁ、よしとしましょう。

さて日頃から、鳥の名前はよくわからない。

烏、雀、鳩などはよく見かけるのでわかりますが、それ以外というと動物園みたいなところで見れるような鳥以外は、とんと区別がつきません。

近くの公園で見かけたこの鳥も、名前はわかりませんが、しばらくうろうろしていたので、ウォッチングしてしまいました。

もしかしたら、餌を探して雛のところに運ぶ母親かもしれません・・・

少なくとも、鳥が餌を探せる場所と言うのは、自然的には悪い場所ではないのだと思うと、もっとたくさんの鳥がうろうろしていてもいいかも。

2015年5月9日土曜日

南国酒家 @ センター南

南国酒家というと、自分的にはほとんど唯一の中華料理の名店。

渋谷の原宿駅前に、自分がこどもの時からあって、年に数回連れて行ってもらいました。今でも、年に一度は食べに行くくらい、中華といえばここ以外で本当に満足した事はない。

センター南の東急SCの中にも支店かあるのは、ずっと以前から知っていました。もちろん今までにも数回は行っているのですが、どうしても原宿の味が頭にあるので、イマイチという自己評価。

連休中に久しぶりに行ってみたのですが、以前と内装が違っていた。だいぶおちついた雰囲気になっていて◯。

今回食べたのはあんかけシリーズ。汁そばと焼そばですが、汁そばは鶏がらスープの好きな味。麺は、なめらかなストレートで、つるつるとした喉越し。

焼そばのほうがあんの旨みはわかりやすい。もともと原宿の五目焼そばは、店の定番みたいなもので、当たり前の味なんですが、なかなかその味が他店では味わえないもの。

もちろん、原宿と比較するのは酷というものですが、まぁまぁという評価です。あくまでも原宿の店に比べてということなんで、通常の中華料理店としては標準以上なのかと思いました。

2015年5月8日金曜日

イムイェム @ 犬蔵

まず犬蔵(いぬくら)ってどこ? となる。そりゃ、そうでしょう。大きな商業施設などがあるわけではないので、基本的には地モピーにしかわからない。

東名高速の川崎インターを降りて、右に行くと溝の口、元住吉などを通って川崎駅。左に行くと新百合ヶ丘方面ですが、最初の交差点が犬蔵です。右に曲がれば登戸、左に曲がればたまプラーザです。

犬蔵の交差点から、もうちょっと過ぎたところにあるのがイムイェムというお店。実は、けっこう前からそういう店があることは知っていて気になっていました。

ところが、場所が場所ですから、電車・バスなどではなかなか行きずらいところ。車で行きたくても、幹線道路沿いですから、当然路駐もできるはずがない。

ところが、知り合いから「後ろに駐車場」と教えてもらいました。いやぁ、まさかそんな道があるとは思ってもみませんでした。それならばと云うわけで、連休中にでかけてみました。

何の店かというと、それなりに人気が定着した感のあるタイ料理のお店です。

当然、定番となるメニューはタイカレー。インドカレーと違って、ココナッツミルクがたっぷり、独特の香辛料と後を引く辛さが癖になります。

初めてのオーダーはレッドカレーとガパオご飯のセット。食レポ的には最低の感想なんですけど、一言で言うと「美味い、辛い、また食べたい!!」に尽きます。

この店では、特に野菜にはこだわりがあるらしく、注文があってから野菜を切ります。煮込まれてくたくたになっていない野菜が、辛さを引き立てている感じがします。

たくさん駐車場があるわけではないので、あまり知られると困るのですが、知る人ぞ知る、いや誰でも知っている店になったらいいなというところでしょうか。

2015年5月7日木曜日

連休終了

皆さぁ~ん、ゴールデン・ウィーク、いかがでしたか?

天下のNHKでは、ゴールデン・ウィークという言葉は使わないそうです。うちは休みじゃないと批判が多かったので、「大型連休」と呼ぶんだそうですが、どっちでも同じじゃないかと・・・

連休中は、比較的天気もよかったので、いろいろと楽しんだ事と思います。

近場のセンター南駅前も、けっこうな賑わいでした。



あっち、こっちと出かけた方、たくさんいると思います。渋滞にはまって大変だった方も、お金を使いすぎた方もいるでしょう。

ひたすら、休養に専念した方、ふだん出来ない家の修理とか、大掃除とか・・・インドアも悪くはありませんよね。休みすぎて、体も頭もなまってしまうかもしれません。

クリニックは、今日から平常通り。カレンダーの赤い日は休み、黒い日は通常通りです。連休明けは混みそうな気がしますが、木曜日はもともと半日なので気合で頑張ります。

2015年5月6日水曜日

あすなろ海水魚館 ~ 終了

昨日、クリニックに行って見たら・・・海水魚のタンクの唯一の魚でありカクレクマノミが死んでいました。

5年間です。その前、どれだけ生きていたのかはわかりませんが、うちの綺麗とはいえない水槽で、大好きなイソギンチャクもいない時間の方が長かった水槽で、それでも成長してくれて、最後は体長10センチ近くになっていました。

水槽の中を特にいじったわけでもなく、寿命と言ってしまえばそれまでのことかもしれません。これまでに何度がピンチをしのいで、よくぞ、これだけずぼらな飼い主にがまんしていてくれたものです。

何しろ60センチ水槽は大人並みの重さですから、片付けるのに数時間かかりました。さすがに海水魚は手間がかかり、綺麗な状態を維持するのが大変なので、もう一度一からやり直す気力が湧きません。

水槽があった場所が、ぽっかりと抜けてしまい、何とも寂しい雰囲気になってしまいました。カクレクマノミは、近くの公園に埋めました。

 さて、大型連休も今日で終わりです。中には、今度の土日まで休みという方もいるでしょうが、明日からクリニックは平常通り・・・ですが、カクレクマノミはいませんので、あしからず。

2015年5月5日火曜日

BCJで聴くカンタータの森 (3)

とりあえず、始めたのいいのですが、鈴木雅明率いるBach Collegium Japanによるカンタータ全集を聴き倒すという・・・要するに、作曲順に収録されたCDを順番に聴いて、自分のお気に入りのカンタータを選び出そうというもの。

ここで、全部で55枚あるCDをすべて紹介していくのは、かなり大変だということに、今さらながら気がつきました。バッハがのこした教会カンタータは、およそ200曲。名曲とされるものや、話題性のあるものだけでもかなりあるわけです。

ここでは、あくまで自分の気にいったものを選び出すことが目的だし、それを可能な限り他の演奏者のものと聴き比べてみたいというというのがそもそもの動機。

そこで、細かい事はきにせず、どんどん進んで行くことにします。BCJの全集の中身が知りたい方は、ネットでも簡単に調べられますので、各自の努力におまかせということで・・・

さて5枚目まで聴いて、耳に残るものはBWV4、BWV106、BWV18の三曲でした。大バッハの若かりし頃の作品で、ミュールハウゼン~ワイマール時代のもの。この時期の作品は、7枚目までに収録されています。

8枚目は、カンタータの公的な作曲の機会がなかったケーテン時代に、次のライブツィヒのカントル試験のために書いたものが出てきます。ここまでは、カンタータ作品としては初期に分類できそうです。

この時期、敬虔なプロテスタントであるバッハは教会のオルガン奏者としての仕事を通じて、「整った教会音楽」とは何かを考え始めていたわけです。しだいに自信をつけて、いろいろなことにチャレンジする精神がどんどん高揚していくのがわかる曲作りが目立ちます。

出だしは器楽曲のシンフォニアが配置されることが多く、またすでに後年意図的に組み込むコラールも随所に使用されていますが、けっこう凝った作りであることが多く、そういう意味では一つ一つが変わっていて面白い。

ただし、これは会衆との一体感という観点からすれば、どうだったんでしょうか。音楽としては楽しいのですが、イエスの教えをよりわかりやすく人々に伝えるというカンタータの教会での役割からすると、音楽が独立してしまっているのかもしれません。

BCJの演奏は、一般に「超真面目」と評されることが多いのですが、これは下手に曲調を上げ下げせずに、楽譜を丁寧に読み込んで演奏しているということなんでしょう。もちろん自分は、楽譜を片手にカンタータを聴くわけではありませんから、楽譜通りかどうかはわかりません。

ガーディナー盤は、基本全曲ライブ録音ですから、鈴木盤に比べて全体的な勢いがある。多少の間違いは許すから、どんどんイケイケという雰囲気が伝わってきますし、それが魅力。

BWV172「鳴りひびけ、汝らの歌声(1714)」は聖霊降臨祭第一日のためのもので、最初から管楽器も加わった大き目の編成で、高らかに華麗な合唱が素晴らしい。こういう曲では、合唱の強みはモンテヴェルディ合唱団はダントツです。

一方、5曲目はソプラノとアルトのデュエット。こういう曲では、鈴木盤の方がテンポも速く、むしろイングリット・シュミットヒューゼン(S)と米良美一(CT)のからみがうまく伝わってくる気がします。最後のコラールは、鈴木盤の方がゆっくりで、こういうところが「真面目」なところなのかもしれません。

OVPPの提唱者リフキンによる演奏を聴くと、こういう華麗な雰囲気な曲では合唱の弱さはどうしようもない。本来の姿がそうだとしても、こういう曲ではもう少し流動的な編成でもいいのかなと思います。

2015年5月4日月曜日

BCJで聴くカンタータの森 (2)

この話題に興味を持つ方は、BCJって何? ということは思わないでしょうが、Bach Collegium Japanの略語で、一言で云うと、日本人、鈴木雅明がが率いるJ.S.バッハの曲を中心とした古楽専門の演奏集団のこと。

コレギウムというのは、古代ローマの私的な集団のことで、中世~バロック期のドイツでは、民間の音楽愛好家の団体をコレギウム・ムジークと呼んでいました。特に、バッハは後半生ではライプツィヒのコレギウム・ムジークでの活動を通して、多くの名作を生み出しています。

BCJは、1990年にクリスチャンであり鍵盤楽器奏者の鈴木雅明が創設し、弟でありチェロ、ガンバ奏者である鈴木秀美が主たるサポートをしており、カンタータ全集をはじめとして国際的にも高い評価を受けています。

クラシックのレーベルとしては有名なスウェーデンのBis Recordから、CDのリリースを続けていますが、残念なのはカンタータ・シリーズのジャケット。これほど、デザイン的につまらないものは珍しい。ほとんどが、同じイラストや写真を使いまわして、ケチケチに徹しています。

もっとも、カンタータ全集は企業としても採算がとりづらいわけで、コープマンはERATO、ガーディナーはArchivで始まったプロジェクトが途中で頓挫しており、両者とも自主レーベルを立ち上げて完成させるという困難を経ています。

それを考えると、BCJの場合は、一貫してBisによる高音質な収録、しかも途中からはSACDでのリリースを続けられただけでも価値があるのかもしれません。

さて、BCJのカンタータ全集はVOL.3からワイマール時代に入ります。何しろ、300年も前のことで、作曲時期が確定していること自体不思議なところもありますが、作曲の技法とか、書かれた楽譜の紙質とか、あるいは書簡などの資料などから学者が推定してくれるわけです。

カンタータの場合は、その用途がはっきりしていると推定もしやすいし、特にライプツィヒ時代以後になると教会の記録などからも、初演の時期がかなりはっきりしているものが多い。

ワイマール時代に入ると、オルガン奏者としての活動以外に、1713年からバッハは毎月1曲のカンタータ作曲という仕事が増えます。

VOL.3 1996年収録、栗栖由美子(S)、米良美一(CT)、櫻田亮(T)、ペーター・コーイ(B)
BWV12、BWV54、BWV162、BWV182

VOL.4 1996年収録、鈴木美登里(S)、太刀川明(CT)、櫻田亮(T)、ステファン・シュレケンベルガー(B)
BWV163、BWV165、BWV185、BWV199

ここまではワイマール時代の前半。少しずつ奥行が出てきた感じがしますが、それほどお気に入りというほどの曲はありません。

VOL.5 1997年収録、鈴木美登里(S)、米良美一(CT)、櫻田亮(T)、ペーター・コーイ(B)
BWV18、BWV143、BWV152、BWV155、BWV161

ここから毎月作るところに入ってきて、バッハも「整った教会音楽」というものを意識するようになったのだと思います。

BWV18「天より雨くだり雪おちて」は、出だしのヴィオラの低温の旋律が印象的で、そのあとに続く優雅な響きが心地よいシンフォニアから始まります。レシタティーボとコラール(祈り)が交互に出てくる応答形式の構成が面白い。

2015年5月3日日曜日

BCJで聴くカンタータの森 (1)

ついこの前まで、キリスト教の教会暦に従って、残されているバッハの教会カンタータ、約200曲を1年間かけて聴きとおしました。基本的には、教会暦順に収録されているJ.E.ガーディナーの全集CDボックスを順番に聴いたわけです。

聴いていくうちに、バッハの音楽だけでなく、キリスト教の知識、300年前のヨーロッパの歴史的なことにまで興味が広がり、けっこう自己満足度の高い期間を過ごせてよかったのですが、逆に今は大袈裟に言えば、物事を達成した後の虚脱感みたいなものがあります。

そうは言っても、昨年もう一つのカンタータ全集を購入していて、、こちらを無駄にするわけにはいきません。それが世界的に評価されている鈴木雅明のものですし、何しろ値段が半端なかった。

すでに、ガーディナー盤と比べるという聴き方は、昨年のうちから始めていましたが、鈴木盤はバッハの作曲順での収録なので、教会暦に合わせてなかなか曲を探すのが面倒。

そこで思いついたのは、鈴木盤を順に聴きながら、自分のお気に入りのカンタータをピックアップしていこうということ。テレビ番組風だと、題して「お気に入りを探せ!! 鈴木雅明と行くカンタータの森の旅」という感じでしょうか。

 さて、記念すべき第1巻は1995年の収録。ソプラノは栗栖由美子、カウンターテナーは太刀川明。収録曲はBWV4「キリストは死の縄目につながれたり(1708?)」、BWV150「主よ、われ汝をあおぎ望む(1708?)」、BWV196「主はわれらを御心に留めたまえり(1708)」の三曲。

当然、若かりしバッハのミュールハウゼン時代の作品ということになります。この中で、復活祭第1日のためとされているBWV4 「キリストは死の縄目につながれたり」は、バッハの生涯の中で見ても、圧倒的な存在感を放っています。

それは、この曲がコラール変奏曲という形式だからで、マルチン・ルター自ら作詞した復活節コラール全節が歌詞に用いられています。冒頭の短調のシンフォニアから一転して、復活の喜びを次から次へと繰り出してきます。たびたび出てくるハレルヤが印象的。

昨年6月のガーディナーの演奏がビデオで見ることができますが、合唱主体の楽曲だけに世界最強と云われるモンテヴェルディ合唱団を擁する演奏は、全編を合唱で押切圧倒的です。

第2巻も1995年の収録で、ソプラノは鈴木美登里、カンウターテナーは米良美一、テナーはゲルト・テュルク、バスがペーター・コーイ。曲はBWV71「神はいにしえよりわが王なり(1708/2/4))」、BWV131「深き淵より、われ汝に呼ばわる、主よ(1708?)」、BWV106「神の時こそいと良き時(1708?)」の三曲。

別名「哀悼行事(Actus tragicus)として知られる」BWV106「神の時こそいと良き時」が、やはり超有名で群を抜いています。1707年に母方の伯父の葬儀のために書かれたという説がありますが、詳細は不明。バッハの死後、多くのカンタータが忘れ去られる中、この曲は比較的たびたび演奏されていたという話があります。

伴奏は簡素ですが、冒頭のリコーダーの重奏はシンプルながらも、心を鎮めることができます。続いて合唱と四声それぞれのアリアが、次々に死に関連した内容を印象的に歌い上げ、最後にコラールで締めくくられます。

ピエロットのリチェルカール・コンソートは、OVPPでの演奏を聴かせてくれます。全体の構成がシンプルな曲なので、違和感は少なくバッハの実演に近いのかもしれません。

2015年5月2日土曜日

薬価差益

「やっかさえき」と読みますが、医者の側から見るとほとんど死語に近い言葉。

薬の値段は厚労省が決めていて、病院・診療所は業者から購入して医療の現場で使います。そのとき、業者はできるだけ買って貰いたいので値引きをする。そうすると、その差額が医療機関にとっては利益になるというもの。

これが、薬漬け診療の根源にあるとして、医薬分業が進みました。院内処方よりも院外処方が優遇され、今ではほとんどの医療機関は患者さんに処方箋を渡して、院外の薬局ならどこでも薬を手に入れられるようにしています。

患者さんにとっては、わざわざ別の薬局に出向いて改めて待たないといけないという手間が増えました。そして、何よりも医療機関の利益はそのまま薬局の差益に転化されたというのが実態。

1999年に介護保険が半ば強引に始まった時も、医療費抑制のため介護保険に分離しただけ。見かけ上の医療費が減ったことを、ものすごい成果のように当時の政府は胸を張っていました。

まぁ、今でも薬価差益が無いわけでは有りませんが、もの凄い経費をかけて院内薬局を持つメリットはあまり無いわけで、特に外科系の医療機関は薬の使用は少なく、直接行う処置などの方が多い。

ところが、処置は一種の技術になるわけですが、日本の保険制度の中では技術というのはほとんど評価されていません。技術には個人差があるわけで、上手い医者と下手な医者がいるということ。ですから一定の値段が付き辛い。

もっとも、いくら上手いし評判でもやたらの高額な医者にかかりたいかと言うと、患者さんとしては躊躇する部分はあるでしょうし、現実にはブラックジャックや大門未知子のような存在はありえない。

リウマチ診療の中では、生物学的製剤と呼ばれる薬が登場してから、薬にかかる費用は爆発的に増加した事は事実です。最初に登場したレミケードは1本が当初約11万円で、通常1回に2本を使用しますので、3割負担の患者さんは窓口で6万円以上を支払うことになります。

ここで、差益があるかというと、正直言ってほぼ無い。実際、業者からの購入価格は1本10万円以上でした。特殊なフィルターが付属する高額な輸液セットの使用が義務付けられていて、しかも数時間かかる点滴の間の場所の占有、いろいろとチェックすることなどの手間を考えると、実質的には赤字と言ってもいいくらいです。

まぁ、結局ぐちみたいなものになってしまいますが、本当は話題のアップルウォッチの原価が安いというニュースから思いついた話。アップル製品の原価率は定価の29~38%の中にあったそうですが、一番安いアップルウォッチでは原価率は24%だそうです。

新製品ですから、いろいろな新しい経費がかかるための上乗せが必要ということで理解するしかありませんが、一番安くて42,800円するものが、中身のとしては1万円程度というのは、かなりガッカリ感は否めない。

薬価のように公的機関が基本価格を決めるわけではありませんから、資本主義の原則に則って価値を見出す方には高いものではないわけで、文句を言う筋合いはありません。

そのうち、こういうものがスタンダード化して、スマホのように普及する可能性はありますので、そうなったら購入を考えても遅くはないというところでしょうか。

2015年5月1日金曜日

キャンプ用冷蔵庫

4月から新生活をはじめた方は多いはずで、親元を離れて一人住まいを始めた学生さんとか、中には単身赴任になった寂しがりやのお父さんなどが日本中にいることでしょう。

たぶん、そのせいかと思うのですが、4月のamazonの売り上げランキングで家電の売り上げが伸びたものが小型の冷蔵庫。

小型のものは、45リットル程度のものと100リットル程度のものがよく出るようです。45リットルのものは、うちのクリニックでも薬品を保管するのに使っています。

薬品用としても、けっこう狭くて使いづらい。これを家庭用で使うとなると、ほとんど無理っぽい感じです。一人住まいだとしても、数日分の食料などを貯蔵するなら、現実的には100リットル程度の2ドアがお勧めでしょう。

家で使っているのは、もう四半世紀使っている400リットルクラスの大型ですが、もうひとつコンパクトなものがあって、主として飲み物の冷蔵に使用しています。

それは、 実はキャンプ用。Canping gazというブランドのもので、交流電源でも、車の12V電源でも、そしてキャンプ用のガスボンベでも使えるというもの。

確か、7万円くらいだったように思うのですが、当時よく立ち寄ったアウトドア店で見つけて、売れ残りで半額でした。それでも高いので躊躇したのですが、1週間後くらいしてもまだ売っていて、さらに1週間後にも残っていました。

これは、もう自分に買ってくれと言っているとしか思えず、ついに購入してしまったというわけ。以前、せっせとキャンプに行っていたときは、肉でもビールでも詰めるだけ詰めて持ち運んだものですが、ずいぶんと優雅なキャンプに貢献してくれました。

今でも、オークションなどでかなり安く手に入れられるようですから、絶対お勧めです。