2012年3月23日金曜日

リウマチ科

リウマチ科という名前は、めっちゃわかりやすい。関節リウマチという単一疾患がターゲットですから、あまり悩むことはありません。

もちろん、メインの病気はリウマチですが、リウマチ類縁疾患というのがいろいろあっるので、これがめんどう。例えば、整形外科が扱う変形性関節症、これもリウマチ性疾患という範疇に入ってきます。

リウマチは、けっこう最近まで関節の痛みを伴う状態を表す言葉として使われていました。自分の関節に対して異常な免疫反応を起こす疾患として、独立した概念が確立したのは、この何十年のことです。

関節炎を起こすという点からは、痛風、つまり高尿酸血症による結晶誘発性関節炎もリウマチ性疾患です。掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)という皮膚科の病気に伴う関節炎というのもあります。

因果関係が不詳の鎖骨周囲の関節炎、胸鎖関節炎とか胸肋関節炎というのもあります。脊椎が固まってしまう強直性脊椎炎もやっかいな病気です。

そして、そもそも関節リウマチを含めた膠原病という大きな病気の概念があって、この中にいろいろな難しい病気が含まれてくるわけです。膠原病は、それぞれが合併していることもあり、診断確定することはけっこう大変です。

というわけで、リウマチ科というのは扱う疾患の範囲はけっこう広かったりします。そして、治療でも合併症でも、体中のいろいろなところにいろいろな問題を起こす可能性をひめているため、各科との連携も重要。

自分の場合もリウマチ科を標榜するからには、自分でできるところとできないところをはっきりさせておくことが大切だと思っています。周りを固めて、いつでも協力し合える体制があって初めて安心して診療ができるわけですし、そして患者さんも安心して受診できるというものです。